FX取引では、レバレッジをかけることで少ない資金でも大きな取引が可能ですが、その分リスクもあります。そのリスク管理の一環として、「マージンコール」という仕組みが存在します。マージンコールは、証拠金維持率が一定の水準を下回った際にFX会社から送られる警告のことです。本記事では、マージンコールの仕組みや発生条件、回避方法について詳しく解説します。
マージンコールとは
マージンコールとは、FX取引で証拠金維持率がFX会社の基準を下回った際に発生する警告です。相場が不利に動き含み損が増えると、証拠金が減少し、追加の資金（追加入金）が必要になります。これに対応しないと、さらに維持率が下がり、強制決済（ロスカット）が行われるため注意が必要です。
マージンコールが発生する条件
マージンコールは、FX会社ごとに異なる証拠金維持率の基準を設定していますが、一般的な基準は下記の3通りです。
- 証拠金維持率が一定の水準を下回った場合に発生（例：証拠金維持率50%以下）
- 取引口座の評価額（有効証拠金）が不足していると警告が出る
- 指定された時間までに対処しないとロスカットになる
例えば、あるFX会社が証拠金維持率100%でマージンコールを発生させる場合、次のような条件で発生します。
必要証拠金：10万円
有効証拠金：9万円（証拠金維持率90%） → マージンコール発生
このように、相場が変動して有効証拠金が減ると、マージンコールの対象になります。
マージンコールを回避する方法
マージンコールが発生すると、追加入金やポジション整理が必要になるため、余計な負担が発生します。できるだけマージンコールを避けるための対策を紹介します。
1.十分な証拠金を用意する
マージンコールの原因は、証拠金不足です。そのため、余裕を持った資金を入金しておけば、証拠金維持率が下がりにくくなります。
推奨：証拠金維持率200%以上を維持する
最低でも証拠金維持率100%を切らないように管理する
2.レバレッジを抑える
レバレッジを高くすると、少ない資金でも大きな取引ができますが、その分、証拠金の減少スピードも速くなります。レバレッジを低めに設定することで、マージンコールのリスクを下げられます。
レバレッジを5倍～10倍程度に抑える（初心者向け）
ハイレバレッジ（25倍など）は慎重に運用する
3.ポジションサイズを調整する
取引するポジションサイズを抑えることで、証拠金維持率を高く保つことができます。1回の取引で大きなポジションを持つと、証拠金が減ったときの影響が大きくなります。
少額取引から始める（1,000通貨単位など）
複数のポジションを持ちすぎないように注意する
4.ストップロス（損切り）を設定する
マージンコールを回避するには、損失が大きくなる前に損切りすることが大切です。ストップロスを設定しておけば、一定の損失で自動的に決済されるため、大きな損失を防ぐことができます。
ストップロスを設定し、早めに損切りする
無計画なナンピン（損失を埋めるための買い増し）は避ける
マージンコールとロスカットの違い
マージンコールと似た言葉に「ロスカット」がありますが、この2つは全く異なるものなので、しっかり区別しておきましょう。ロスカットが発生すると、強制的に損失が確定してしまうため、マージンコールの段階で適切に対応することが重要です。
まとめ
マージンコールは、FX取引で証拠金維持率が一定の水準を下回った際に発生する警告です。これに対応せずさらに維持率が下がると、強制決済（ロスカット）が行われるため注意が必要です。回避するには、余裕のある証拠金を確保し、レバレッジを抑え、ポジションサイズを調整し、ストップロスを設定することが重要です。マージンコールとロスカットの違いを理解し、リスク管理を徹底しましょう。