FX取引では、「注文が約定した」「約定しなかった」といった言葉をよく耳にします。約定とは、FX取引において売買注文が成立することを意味します。つまり、注文を出した価格で取引が成立し、実際にポジションを持つ状態になることを指します。本記事では、約定の仕組みや、注文がスムーズに約定するためのポイントを詳しく解説します。
約定とは
FX取引では、注文を出しただけでは取引は完了しません。相場の状況によっては、希望の価格で取引が成立しないこともあります。注文が市場に受け入れられ、実際に売買が成立したときに「約定」となります。
約定が成立すると、ポジションを持つことになる
希望の価格で約定しないこともある(スリッページの影響)

約定の種類
約定には、大きく分けて2つの種類があります。
1.成行注文の約定
成行注文(なりゆきちゅうもん)は、現在の市場価格で即座に取引を成立させる方法です。最もシンプルな注文方法ですが、市場の状況によっては「スリッページ(希望価格と約定価格のズレ)」が発生することがあります。
すぐに約定するが、価格が変動する可能性がある
急な値動きのある相場では希望価格と違う価格で約定することも
2.指値・逆指値注文の約定
指値注文(さしねちゅうもん)と逆指値注文(ぎゃくさしねちゅうもん)は、希望の価格を指定して約定させる方法です。
指値注文:希望価格以下になったら買い、希望価格以上になったら売る
逆指値注文:希望価格以上になったら買い、希望価格以下になったら売る
指値注文は「安く買いたい」「高く売りたい」ときに便利ですが、市場がその価格に達しないと約定しません。逆指値注文は「損切り」や「ブレイクアウト(価格が大きく動くタイミング)」を狙う際に使用されます。

約定しない理由と対策
注文が約定しない場合、以下のような理由が考えられます。
1.指値注文の価格に到達していない
指値注文を出しても、その価格に市場が到達しなければ約定しません。特に値動きが小さい相場では、なかなか希望価格まで届かないことがあります。

2.スリッページが発生している
成行注文では、市場が急激に動くと、希望価格と違う価格で約定することがあります。これを「スリッページ」といいます。特に重要な経済指標の発表時や、市場が薄い時間帯(早朝など)はスリッページが発生しやすくなります。

3.取引量が少ない(流動性が低い)
市場参加者が少ない時間帯や、マイナーな通貨ペアでは、取引が成立しにくいことがあります。特に日本時間の早朝や、週末の市場終了間際は流動性が低く、約定しにくくなります。

約定のスピードが重要な理由
FXでは、約定のスピードが取引の成功を左右することがあります。約定が遅いと、狙った価格で取引ができず、想定外の損失を被る可能性があります。特に短期トレード(スキャルピングやデイトレード)を行う場合、約定スピードの速いFX会社を選ぶことが重要です。
約定スピードが速いと、狙った価格で取引しやすい
スリッページが少なく、取引の精度が向上する

まとめ
FXでは、約定の仕組みを理解し、適切な注文方法を選ぶことで、取引をスムーズに進めることができます。約定の特性を活かし、リスクを最小限に抑えながら取引を行いましょう!